近年ではAIによる置き換えが進む

日本での直近のAIブームは、エキスパートシステムが全盛の1980年代です。通産省(現経産省)が、新世代コンピューター技術開発機構(ICOT)を設立し、第5世代コンピューター開発プロジェクトを推進しました。この時代は、実態を伴わないプログラミングとしてのAI研究が行われており、専門家の思考などをコンピューターに置き換えた実用的なソフトウェアが登場します。

その後AIブームも冬に突入しますが、その間もAI理論の研究は着々と進んでいたのです。単なる専門家の知能の置き換えではなく、人間が自然に行う思考をコンピューターが自ら学習するディープラーニングの時代に突入し、実用性が高く実態のあるAI搭載の製品が登場しました。

今では、専門のプログラマーやエンジニアが増え、AI製品も一般的になりつつあります。AI搭載のエアコンを例に挙げると、温度や湿度、人間の体温変化などの情報を取り込み、生活時間帯に合わせて快適な室内環境を実現するようにできているのです。学習機能のあるAI製品では、将棋やオセロが有名でしょう。プロ棋士でも勝つことが難しいとされる、高度な思考力を持つプログラムまで登場しています。

ネット検索はAIがサポートし、コールセンターのオペレーターもAI搭載のソフトウェアが対応するなど、人間が行ってきた仕事も置き換わりつつあるのが現状です。総務省の情報通信白書(2016年版)には、米国の職業701種のうち47%がAIや機械に代替する可能性があるとの指摘があり、将来は日本の就労環境も大きく変貌するかもしれません。